今月のメンバー 岩澤あゆみ

2022年4月14日

2022年4月14日

くまじ株式会社代表取締役 岩澤 あゆみ

「わたしと祖父をつなぐもの」

「手に手つないで♪~つくる友の輪~♪」
私が大好きな歌だ。子供の頃から祖父に連れられてロータリーのクリスマス会に参加するのが大好きだった。他の会員さんのご家族ともそれこそ兄弟姉妹のような関係になった。小学生になる前のクリスマス会は、毎年子供達が白いスモックのようなものを着て、ろうそくを持って神父さんと必ず入場する。それがオープニング。毎年私はこれが楽しみだった。
そんな風に、私の中では第2のホームと思っていたロータリークラブに入会したのは2013年の2月14日。祖父が前年の12月に亡くなった。父はすでに他界していたため、私がクラブに入会することになった。初めて会員として「手に手つないで」を歌ったときは、ポロッと涙がこぼれた。

祖父は生涯ロータリアンとして、ロータリーを愛し、学び、自分の生き方こそロータリーの人だった。戦争を経験し、長いことシベリアで捕虜として生き、帰国できてからはそれこそ、「世の中のために尽くすこと」をロータリーと共に実践していた人だと思う。亡くなる数ヶ月前でも、木曜になると自然とロータリーバッチの付いたジャケットを着て、「あゆ、行くぞ」と出かけようとしていた祖父。遺品には、山のようなロータリーについて書かれたノートや手帳、卓話を吹き込んだ大量のテープがあった。

私とロータリーを語る上で、祖父の存在は絶対だ。私と祖父をつなぐもの。それがロータリー。今の私をみて、祖父はなんと言うだろうかといつも思う。もっとロータリーを学びなさい。もっと誇りをもちなさい。そんな声が聞こえてくるような気がする。

入会してわずか数年後には会長の順番が回ってきた。天国から「早すぎる!」って声が聞こえた気がする笑 会長として初めての例会の日は、祖父のロータリーバッチを付けて例会に臨んだ。

時々、祖父の残したロータリーについて書かれているノートを読み返す。祖父が亡くなって9年。今でも、ロータリーを通じて私は祖父と話をすることができる。今なお、こうして祖父と繋がれるのはロータリーのおかげかもしれない。

「あゆ。素晴らしいロータリアンになったな。」そんな風に祖父が言ってくれるのは、きっといつになることやらと思うけど、私がこの世を去った後、天国で祖父にそんな風に言ってもらえるような、祖父に恥じない生き方をしていきたい。その生き方。そこに、必ずロータリークラブがあるのだろうと思う。