国際ロータリー会長からのメッセージ
ロータリーのマジック
2024~2025 年度 国際ロータリーのテーマ
ロータリーが最高の状態となるのは、クラブでインクルージョンと帰属意識が育まれたときです。実際、帰属意識こそが「ロータリーのマジック」そのものだと言っても過言ではありません。
インクルージョンと帰属意識に焦点を当てれば、共通の目的のために結束しやすくなります。互いに支えあい、目標に集中することで、私たちの力が最大限に発揮されます。 これを後押しするのが、ロータリーの行動計画です。行動計画には、フィードバックを集め、クラブの強みと弱みを評価し、課題に取り組むために活用できるツールが含まれています。 変わりゆく世界で、クラブがじっと立ち止まっているわけにはいきません。とはいえ、私たちが取り入れる変化は、より大きなビジョンに向けて支えあうような、一貫した戦略的なものである必要があります。行動計画は、このビジョンに向けて取り組み、クラブ内で効果的な変化を生み出すのに役立ちます。行動計画に沿って地域社会からの提案に取り組むことで、すべてのロータリー会員にクラブで感じてもらいたい帰属意識が末長く育まれます。 だからこそ、多様性、公平さ、インクルージョンへのコミットメントを広げることが重要です。互いの幸せを支えあうことは、参加者の基盤を広げる第一歩であり、この困難な時代に積極的平和を広げることを可能とします。 平和の構築は私たちの最優先事項の一つであり、そのための最も効果的な方法の一つはロータリー平和フェローシップです。平和フェローシップを通じて、平和と開発の専門家たちが紛争を予防し、終結させる方法を学びます。 フェローシップは、世界各地の名門大学にあるロータリー平和センターで提供され、これまでに1,800名以上のロータリー平和フェローが卒業してきました。また、オットー&フラン・ウォルター財団からの1,550万ドルのご寄付のおかげで、イスタンブールのバーチェシェヒル大学に新設された平和センターでさらに多くの地域の平和構築者を支援できます。 新たなセンターの開設は非常に大きな達成であり、イスタンブールのセンターで来年にロータリー会長主催平和会議を開催できるのはとても光栄なことです。2月20日~22日に開かれるこの3日間の会議では、ロータリーファミリーが平和構築を推進するさまざまな方法に焦点を当てます。現在、この会議への登録を受け付けています。ご参加いただけることを願っております。 2025年ロータリー会長主催平和会議は、ロータリーの平和構築の取り組みにとって大きな可能性を秘めていますが、この可能性は皆さまのご支援があってこそ実現します。 私たちは魔法の杖を振って呪文を唱えるだけで世界に平和をもたらしたり、ポリオを根絶したり、会員を増やしたりするわけではありません。それは皆さん次第です。プロジェクトを終えるたび、寄付するたび、新会員を迎えるたびに、皆さんはマジック(魔法)を生み出すのです。 私はロータリーファミリーを愛しており、皆さまも同じだと思います。だからこそ、共にすべてのクラブと地区を魅力的していくことができると、私は信じています。今年度、「ロータリーのマジック」で世界を変えていきましょう。ロータリークラブの誕生とその成長
20世紀初頭のシカゴの街は、著しい社会経済の発展の陰で、商業道徳の欠如が目につくようになっていました。
ちょうどそのころ、ここに事務所を構えていた青年弁護士ポール・ハリスはこの風潮に堪えかね、友人3人と語らって、お互いに信頼のできる公正な取引をし、仕事上の付き合いがそのまま親友関係にまで発展するような仲間を増やしたい、という趣旨でロータリークラブという会合を考えました。ロータリーとは集会を各自の事務所持ち回りで順番に開くことから名付けられたものです。
こうして1905年2月23日にシカゴロータリークラブが誕生しました。
それから志を同じくするクラブが、つぎつぎ各地に生まれ、国境を超えて、今では、200以上の国と地域に広がり、クラブ数36,397、会員数1,196,478人(2020年11月17日RI公式発表)に達しています。
そして、これら世界中のクラブの連合体を国際ロータリーと称します。
このように、歴史的に見ても、ロータリーとは職業倫理を重んずる実業人、専門職業人の集まりなのです。その組織が地球の隅々にまで拡大するにつれて、ロータリーは世界に眼を開いて、幅広い奉仕活動を求められるようになり、現在は多方面にわたって多大の貢献をしています。
日本のロータリー
わが国最初のロータリークラブは、1920(大正9)年10月20日に創立された東京ロータリークラブで、翌1921年4月1日に、世界で855番目のクラブとして、国際ロータリーに加盟が承認されました。
日本でのロータリークラブ設立については、ポール・ハリスの片腕としてロータリーの組織をつくり、海外拡大に情熱的に取り組んだ初代事務総長チェスリー・ペリーと、創立の準備に奔走した米山梅吉、福島喜三次などの先達の功を忘れることができません。
その後、日本のロータリーは、第2次世界大戦の波に洗われて、1940年に国際ロータリーから脱退します。戦後1949年3月になって、再び復帰加盟しますが、この時、復帰に尽力してくれたのが国際ロータリーの第3代事務総長ジョージ・ミーンズでした。
その後の日本におけるロータリーの拡大発展は目覚ましいものがあります。ロータリー財団への貢献も抜群で、今や国際ロータリーにおける日本の地位は不動のものになりました。現在、日本全体でのクラブ数は2,237、会員数86,713人(2020年10月末現在)となっています。
ロータリーの基本理念
ロータリーの基本理念は、ロータリアン共通の目的や指針として、長い年月をかけて形づくられたものです。互いの関係や行動の土台として、世界中のロータリアンがこれらの理念を大切にしています。
ロータリーの目的
ロータリーの目的は、意義ある事業の基礎として奉仕の理念を奨励し、これを育むことにある。具体的には、次の各項を奨励することにある。
- 知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること
- 職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものにすること
- ロータリアン一人一人が、個人として、また事業および社会生活において、日々、奉仕の理念を実践すること
- 奉仕の理念で結ばれた職業人が、世界的ネットワークを通じて、国際理解、親善、平和を推進すること
四つのテスト
ロータリアンが生活や仕事の場面で常に覚えておくべき4つの問い、それが「四つのテスト」です。政治や宗教に関係なく、すべての人びとの倫理的指針となるこのテストは、100カ国語以上に翻訳されています。
言行はこれに照らしてから
- 真実かどうか
- みんなに公平か
- 好意と友情を深めるか
- みんなのためになるかどうか
奉仕部門
私たちは、クラブ活動の土台となる5つの奉仕部門を通じて、地域社会や海外での奉仕に力を注いでいます。
- クラブ奉仕は、会員同士の関係をはぐくみ、積極的な会員増強計画を実行して、活気あるクラブづくりを行うことです。
- 職業奉仕は、すべてのロータリアンが倫理と高潔さをもって仕事にあたり、職業の知識やスキルを社会のニーズ解決のために進んで役立てることです。詳しくは、「職業奉仕入門」と「行動規範」をご参照ください。
- 社会奉仕は、すべてのロータリアンが、地域の人びとの暮らしを豊かにし、より良い社会づくりに貢献することです。詳しくは、「活動する地域社会:効果的なプロジェクトのための指針」をご参照ください。
- 国際奉仕は、国際的なプロジェクトでボランティアをしたり、海外のパートナーとの協同活動を通じて、平和と相互理解を推進することです。
- 青少年奉仕は、ローターアクト、インターアクト、ロータリー青少年指導者養成プログラム(RYLA)、ロータリー青少年交換などを通じて、青少年や若い世代の社会人がリーダーシップ能力を伸ばせるよう支援することです。