ロータリーについて

国際ロータリー会長からのメッセージ

新たに深刻な課題に直面している中でも、ロータリーは会員と世界の人びとのために動き、恒久的な平和を築くために尽力し、すべての活動にビロンギング(帰属意識)とインクルージョンを浸透させています。だからこそ、私はロータリーの皆さんに「世界に希望を生み出そう」と呼びかけているのです。

今年度はメンタルヘルスを支援するためのプロジェクトを優先的に行っていきます。この取り組みは、個人的にも非常に重要なものです。誰かが声もあげられずに苦しんでいるのを見守るというのがどういうことか、私はよく知っています。また、人と人がつながりあうことの力や、こころの健康と幸せについて話しあうことの価値、予防的ケアと治療がひとりの命を救いうることをこれまで目の当たりにしてきました。

研究によると、自分の幸せを守る効果的な方法は人に親切にすることだと判明しています。そして、心の平安を得ることによって、私たちは世界に平和をもたらすことができるようになります。

ロータリーの本質は平和を築くことにあります。私たちの奉仕プロジェクトの多くは、積極的平和のための土壌づくりです。障壁を乗りこえ、新たなつながりを築くために、ロータリーはたゆまぬ努力を続けています。今年度は、こういった大切なつながりを強化するために、会員間のバーチャルな国際交流を促進します。

平和は夢ではなく、受身的なものでもありません。一生懸命努力し、信頼を獲得し、難しいかもしれませんがオープンな会話をすることで得られるものです。平和は粘り強く、勇敢に実践しなければなりません。ロータリーの重点分野全体で私たちが行うありとあらゆる活動が、平和を可能にする希望を育む力をひそめています。

人とのつながりと目的意識が、あらゆるロータリー会員を奮いたたせてくれることでしょう。素晴しいクラブ体験を提供できるようにクラブのリーダーが尽力すれば、より多くの会員を維持することができ、より多くの入会候補者がロータリーに関心を持ってくれます。これ以上なく居心地のよい、これ以上なく魅力的なクラブを築きあげましょう。

クラブの例会から奉仕活動まで、帰属意識を高めることが目標です。誰もが自分らしくいられる、包括的で居心地のいい環境を作りつづける必要があります。ありとあらゆる行動人が「ロータリーには自分の居場所がある」と思えるような場所にする必要があります。そうできるかどうかは私たち次第です。

今年度、私は多様性、公平さ、インクルージョンの取組に焦点を当てて、全人類により良く奉仕するために、ロータリーが奉仕するコミュニティを反映するようにし、人間の持てる才能と経験のすべてを活用するための重要な方策を引きつづき講じていきます。また、女性や女児が兼ねそなえている可能性を解き放つのを助けることによって、女性や女児のエンパワメントを続けていきます。

今年度の旅を共に始めるにあたって、私はスコットランドの国民的詩人ロバート・バーンズを引用したいと思います。18世紀にバーンズは、全世界が親族になり、「良識と真価を全世界に広める」ことについて語っています。これはこれまでの人生で私にとって行動への呼びかけとなってきたもので、今皆さんと共有したいと思います。

内なる平和を築き、それをどんどん広めていきましょう。帰属意識を育て、ロータリーの未来を新たに思い描きましょう。ともに楽しく力を合わせて、世界に希望を生み出しましょう。

国際ロータリー 2023~2024年度会長 ゴードン R. マッキナリー
国際ロータリー
2023~2024年度会長
ゴードン R. マッキナリー

ロータリークラブの誕生とその成長

20世紀初頭のシカゴの街は、著しい社会経済の発展の陰で、商業道徳の欠如が目につくようになっていました。
ちょうどそのころ、ここに事務所を構えていた青年弁護士ポール・ハリスはこの風潮に堪えかね、友人3人と語らって、お互いに信頼のできる公正な取引をし、仕事上の付き合いがそのまま親友関係にまで発展するような仲間を増やしたい、という趣旨でロータリークラブという会合を考えました。ロータリーとは集会を各自の事務所持ち回りで順番に開くことから名付けられたものです。 こうして1905年2月23日にシカゴロータリークラブが誕生しました。
それから志を同じくするクラブが、つぎつぎ各地に生まれ、国境を超えて、今では、200以上の国と地域に広がり、クラブ数36,397、会員数1,196,478人(2020年11月17日RI公式発表)に達しています。

そして、これら世界中のクラブの連合体を国際ロータリーと称します。
このように、歴史的に見ても、ロータリーとは職業倫理を重んずる実業人、専門職業人の集まりなのです。その組織が地球の隅々にまで拡大するにつれて、ロータリーは世界に眼を開いて、幅広い奉仕活動を求められるようになり、現在は多方面にわたって多大の貢献をしています。

日本のロータリー

わが国最初のロータリークラブは、1920(大正9)年10月20日に創立された東京ロータリークラブで、翌1921年4月1日に、世界で855番目のクラブとして、国際ロータリーに加盟が承認されました。

日本でのロータリークラブ設立については、ポール・ハリスの片腕としてロータリーの組織をつくり、海外拡大に情熱的に取り組んだ初代事務総長チェスリー・ペリーと、創立の準備に奔走した米山梅吉、福島喜三次などの先達の功を忘れることができません。
その後、日本のロータリーは、第2次世界大戦の波に洗われて、1940年に国際ロータリーから脱退します。戦後1949年3月になって、再び復帰加盟しますが、この時、復帰に尽力してくれたのが国際ロータリーの第3代事務総長ジョージ・ミーンズでした。
その後の日本におけるロータリーの拡大発展は目覚ましいものがあります。ロータリー財団への貢献も抜群で、今や国際ロータリーにおける日本の地位は不動のものになりました。現在、日本全体でのクラブ数は2,237、会員数86,713人(2020年10月末現在)となっています。

ロータリーの基本理念

ロータリーの基本理念は、ロータリアン共通の目的や指針として、長い年月をかけて形づくられたものです。互いの関係や行動の土台として、世界中のロータリアンがこれらの理念を大切にしています。

ロータリーの目的

ロータリーの目的は、意義ある事業の基礎として奉仕の理念を奨励し、これを育むことにある。具体的には、次の各項を奨励することにある。

  • 知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること
  • 職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものにすること
  • ロータリアン一人一人が、個人として、また事業および社会生活において、日々、奉仕の理念を実践すること
  • 奉仕の理念で結ばれた職業人が、世界的ネットワークを通じて、国際理解、親善、平和を推進すること

四つのテスト

ロータリアンが生活や仕事の場面で常に覚えておくべき4つの問い、それが「四つのテスト」です。政治や宗教に関係なく、すべての人びとの倫理的指針となるこのテストは、100カ国語以上に翻訳されています。

言行はこれに照らしてから

  1. 真実かどうか
  2. みんなに公平か
  3. 好意と友情を深めるか
  4. みんなのためになるかどうか

奉仕部門

私たちは、クラブ活動の土台となる5つの奉仕部門を通じて、地域社会や海外での奉仕に力を注いでいます。