第65 代会長として、2024-2025 年度を迎えられることは、とても光栄なことであると共に、諸先輩方が紡いでこられたクラブの伝統と格式への重みを感じずにはいられません。 その一方、私の役割がこの伝統と格式を“未来につなげていく”ことであると捉えると、自ずと会員の皆さんの姿が思い浮かび、そこに大きな意義とやりがいを感じることができます。

パンデミックの経験を通じて、社会は多くの困難に直面すると共に、今、大きな転機を迎えています。それは我々ロータリアンにとっても同じことです。クラブのあり方、奉仕に対する姿勢、グローバルな視点、会員同士や地域とのつながり方など、私たちに変化を考える契機をもたらしてくれます。しかしながら、あらゆる事を変えていくことが良いとは思いません。「不易流行」という言葉にあるように、“本質的なものを守りつつ、必要な変化を取り入れていく”ことを大切にしていきます。

2024 年‐2025 年度のＲＩ（国際ロータリー）会長であるステファニー・アーチック氏は、テーマとして

「The Magic of Rotary （ロータリーのマジック）」

を掲げられました。皆さんはこのMagic という言葉を見ると何をイメージするでしょうか？

辞書を引くと、神秘的、奇術、不思議な、手品、などが出てきますが、私は臨界点（ティッピング・ポイント）という言葉が思い浮かびました。臨界点とは、「小さな変化が積み重なると、ある時点を境に劇的な変化を起こす」というものです。身近な所では、“地道な練習を続けているとスポーツが急にうまくなる”といった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。ローマは一日にして成らず同様、「ロータリーは一日にして成らず」です。 これは茅ヶ崎ロータリークラブが65 年間歩み続けてきた道のりを振り返り、私たちがこれから目指すべく道のりを描いていく過程であるともいえます。そして、この道のりの先、小さな変化の積み重ねの先に、クラブのMagic が訪れると私は考えています。

また、ステファニー・アーチック会長は「ロータリーが“あらがえない魅力”であってほしい」とも述べています。“あらがえない魅力”。この言葉は私にとって、とても印象的なフレーズとして心に残りました。言い換えるのであれば、ロータリーの地域社会における存在感や求心力、憧れ、会員一人一人のロータリアンとしての誇りといった言葉が当てはまるかもしれません。この“あらがえない魅力”をさらに高め、時に創り出していくことが、ロータリーの使命であり、醍醐味であるとも感じています。