湘南の空 こども広場 こども食堂

2023年6月6日

2023年6月6日

湘南の空 こども広場 こども食堂 (信隆寺 住職 木村邦佑)

茅ヶ崎ロータリークラブに協賛を頂き、2022年8月より今宿「信隆寺」にてこども食堂を始めてもうすぐ1年が経とうとしています。

以前から今宿・中島・萩園地域の家庭では1人で食事をしているこども達が居るという話を聞いて「ならばみんなで一緒にご飯を食べられる場を作ろう」ということで、市役所に相談に行き、同じ考えを持った来恩寺さんと一緒にこども食堂を始めようとしましたが、コロナウィルスの蔓延で延期になってしまいました。

当初は隔月で信隆寺と来恩寺が交代交代で開催しようと話していましたが、来恩寺さんの会場の都合、殊にキッチンの準備が難航し、現状は不可能と言うこととなりまして当面は信隆寺単独で開催の運びとなりました。

スタート

手探りの状況でスタートしましたが有り難いことに助けてくれる人はいつもちゃんと現れてくれます。多方面の色々な方々の協力を得て、1回目 2022.8.20(毎月第3土曜日)という形で始まります。

最初の予定は150人分のカレー・・・

お米は4升炊きを2回 炊き出し用の大鍋2つに大量のカレー

お昼から準備をして16時のスタート前には準備万端。

「足らなかったらどうしよう?」などとドキドキしながらこどもたちが来るのを待っていました。

ところが16時を回っても一向に誰も来ません。「あれ・・・?」

皆の心に不安がよぎります。私はかなり焦っていました。17時を過ぎた頃にやっとポツポツと来始め、18時の終了間際にやっとそれらしく見える程度の人が来て下さいました。

結果は33人(大人と小人合計)

しかも最初なので知り合いが応援で食べに来てくれたことを考慮すれば実際はその半分くらいでしょうか?

商売ではないので失敗と言ってしまうのは良くないのですが私は愕然としました。周囲に知れていないので当たり前と言えば当たり前なのですが、「これで続けていけるのか?」

今思えばしばらく重い気持ちを引きずっていた気がします。

目の前には大量に残ったカレーライス。手伝ってくれたスタッフの方々に鍋ごと持ち帰ってもらったり、近所にも配りましたが我が家の食卓も5日間ほどカレーが続きました。

継続は力なり

真面目に続けていればそのうち人は集まってくれるでしょう。という感じで9月10月(作る分量は50人~80人分に減らしましたが・・・)とやっていくうちに少しずつ人が増え始め、40人~50人~60人 12月に開催した餅つき大会には120人の人が来て下さいました

。これは嬉しかったです。なんと言ってもこどもたちが楽しそう! つきたてのお餅もすごく美味しかったです。

1月2月は寒すぎて・・・3月4月は雨で・・・また人は減ってしまいましたが来てくれるこどもたちの顔はいつも笑顔です。

毎回毎回こどもたちの為におやつを寄付して下さる方もいます。「今日のおやつは何?」と聞いてくるこどももいます。微笑ましいかぎりです。

最近は近所の農家の方が沢山の野菜を持ってきて下さいます。本当にありがたい。

ボランティアスタッフも慣れたもので会場準備や片付けもスムーズ。キッチンも大量の野菜をサクサクと切って、チャッチャと仕上げていきます。味も最高です。みんな楽しそうに働いています。

いつの時代もこどもは宝です。こどもたちに笑顔がなくなれば待っているものは衰退です。

少ない人数で食べるより多くの人と食事をした方が楽しいし学びになります。

なぜ「いただきます」なのか? なぜ「ごちそうさま」なのか?

目の前の食事にどれだけの人が関わっているのか?どれだけの労力やエネルギーが使われているのか?どれだけの命があるのか? 大人もこどもも一緒になって考えて、楽しく食べましょう。

追伸

こども食堂というと 貧困家庭の子にご飯を食べさせるみたいな目線が多くありますが

信隆寺こども食堂はイメージが違います。もちろんその様な子たちが来てくれて美味しくご飯を食べてくれたらそれは嬉しいです。

ですがそれだけでなく誰でも彼でもみんなが集まって人と人との中で食事をする楽しさ大切さを経験して欲しいと思っています。家で1人で勉強して・・・家で1人でゲームして・・・では心が育ちません。

最近、道端や公園などで遊ぶこどもを見なくなりました。人に揉まれて遊びの中で学ぶことはとても多いです。老婆心ながら少し心配です・・・

これからも人が集まれる場所を提供していきたいと思います。